『マイクロプラスチック問題』

千葉の県人 鎌田 留吉

未曾有という形容詞が付きまとった西日本豪雨の被害規模も定まらぬうちに、未曾有の7月最高気温が日本を覆っている。これら全て恐らくは地球温暖化がもたらした異常気象の一端なのであろう。

石油がアメリカで発見されたのが1857年であるという。その後石炭からエネルギーの主役の座を奪ってからまだ100年もたっていない。しかし、それからの石油の使用量は急激に増大した。CO2が地球を覆うまでもなく、ガソリンを暴飲して燃焼させながら、地球上を何千万台の車が走っているのだ。地球の温度が上昇しないで済む筈がない。

特に1973年のオイルショックまでは石油は安かったのだ。その安い石油を素材にして、石油化学も目覚ましく発展した。そして作られたプラスチックは極めて生活に便利さをもたらした。今や毎年世界で3億トンが生産され、800万トンのプラスチックゴミが海に流されているのだという。太陽光や波の影響で極めて微細なマイクロプラスチックとなり、海の魚介類の内部にため込まれている。

今年の7月1日からアメリカのシアトルでは使い捨てプラスチックを全面禁止した。スターバックスが2020年までに使用をやめると伝えられる。欧州も動きは敏感だ。しかし、日本政府に動きは全く見られない。

私はCO2のあとの喫緊の環境問題としてこのマイクロプラスチック問題がこれから急速に日本でも広がっていくだろうと考えている。CO2対策のためにどれだけの企業が右往左往しているかを見ればよい。

つい最近私は、プラスチックに代わる食品包装素材である「シールドプラス」を開発した日本製紙(3863)と生分解性樹脂を開発したカネカ(4118)を少し買った。前者は、印刷用製紙工場を停止させ、19年3月が赤字転落するのを嫌気され、後者は解決済みのカネミ油脂訴訟を蒸し返し、それぞれ大分下がってくれているからである。

2018.7.17.記