『トランプ現象の或る意味』  

千葉の県人 鎌田 留吉

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筆者近影

トランプ氏が大統領に選ばれたこと(トランプ現象)につき「アメリカの分断が想像以上に進んでいた」とか「エスタブリツシュメントに対する大衆の反旗」等の解説がなされる。

今朝、新聞のそのようなことを書いた解説欄に「有権者の投票傾向」(米CNNによる出口調査から)が載っていた。

それによると、トランプ氏を支持するのは、白人全体で58%(クリントン氏支持37%)白人のうち大学を卒業していない67%(同28%)白人男性63%(31%)、非白人のうちヒスパニック29%(同65%)黒人8%(同88%)とあった。

私はこのリストを見て、1年ほど前に私が遭遇した、ある「事件」を思い起こした。下(below)の話で恐縮だが、私は子供の頃から腸がとても弱く、大人になってからも、何度か粗相をしたことがある。大幸薬品の正露丸は小さい頃からの愛用薬で、あのクレオソートの臭いを嗅いだだけで下痢が止まってくれる気がするほどだ。67歳になった今は尚更「恐れ」の可能性が高まりパンパースの利用を考える今日この頃だ。

そんな私が、昨年の今頃、船橋イトーヨーカドーの5階にあるサイゼリヤに食事に出かけた。そのとき急に便意を催しトイレに駆け込んだ。しかし生憎1つしかない男性用トイレの大便用は使用中であった。そこで、私は隣にある「車いすマーク」のトイレにはいろうとした。丁度その時ドアが開いて、中から車いすの男が出てきた。私はこれ幸いと駆け込んだ。鍵をかけたそのとき、その男が、ドン!ドン!ドン!「おい!こら!ここが誰用のトイレか解っているのか!?お前のような男がいるから!……(よく聞こえなかった)」ドン!ドン!ドン!彼は計6回大きくドアを叩いた。それどころではない私は彼を無視して用を済ました。「緊急避難」ということもあることだし…などと思いながら(一応私は法学部を出ているのだ)。

用を済ませてふと左を見るとこんな言葉が掲示されていた。「多目的トイレは高齢者・障害者 妊娠中やお子様連れのお客様が優先でございます。混雑時には譲り合ってご利用頂きますようお願い申しあげます」

私は弱者救済とは強者の義務ではないと思っている。強者に余裕がなくなり「それどころではない」という状況になったとき、残念ながらそれは顧みられることはないだろう。もしかすると、初の黒人大統領オバマ氏の8年の間に、いわゆるマイノリテイの人たちの権利主張の声が大きくなりすぎたのかもしれない。

2016.11.14記