7月12日   新・相場展望
特定非営利活動法人イカス理事
株式評論家  鈴木 英夫
          『投機筋主導で鉄火場市場での対応』
                   
 約30年前、NY市場で株式先物取引きが開始された直後に、NY大学で短期の研修をうけた。
 確か10人程度の先生のレクチャーを受けたが、その内の7〜8人の先生が先物に関して講義をされた。その時の第一印象はアメリカという国は、大学の先生が「博打ち」の話をするのだというものであった。
 その後、国際投資資金の顕在化と金融工学を駆使してのデリバティブ手法の急速な進展により国際金融市場はデリバリティ投資が活発化し、同時に30年前に受けた印象通りの「鉄火場」の様相を高めている。
 相場を張る」ということは、リスクを取ることであり、このリスクをヘッジするため先物などのデリバリティブ手法が活用される筈である。
 しかし、近時の国際金融市場では、短期でパフォーマンスを挙げる投機筋がはびこり、デリバティブで売り崩しを仕掛け相場が急落すると早々に買い戻して利益を確信するという対応が横行している。
特に、昨夏以降はサブプライムローン問題に端を発した金融不安、原油価格の急騰などによるインフレ懸念、これに伴う実態景気の減速といった不安材料が渦巻く中で、投機筋は頻繁に売り崩しを仕掛け、大幅安になると早々に買い戻しをするため、日替わりでの乱高下相場が展開している。
 このような短期の投機筋の勢いを増幅しているのが、メディアの相次ぐ、不定を煽る報道である。
 メディアは常に体制や実態を批判し、警告を発するのが任務ではあるが、それが警告にとどまらず投機筋に絶好の売り崩し口実を与え、金融市場を実態以上に混乱をさせている。
 投機筋の中にはメディア様様であるといっている向きも少なくない。 
 メディアはこの実態を承知しているのであろうが。その様に、短期投機筋が主導権を握り、乱高下している株式市場には「休むも相場」と心得て近寄らないことが賢明な策である。
 しかし、相場の性は、分かっていても休むことは難しい。
 とすれば、前にも申し上げたことではあるが、これからの景気、経済を担うテーマ性に富み、好業績の主要株が売り崩しに会い、急落した局面を、絶好の押し目として、果敢に仕込むことである。本来であれば、この取得した銘柄は中長期投資銘柄として、少なくとも数ヵ月は保有すべきであるが、今の相場は、そのような定則が通じるような生易しい相場ではない。
 投機筋の買い戻しにより反発した際に、機敏に利食うという対応が必要である。(以上)