6月13日   新・相場展望
特定非営利活動法人イカス理事
株式評論家  鈴木 英夫
           『金融経済下での10年周期』

信用不安が峠を越したことの気運が内外市場で高まり、相場の様相が変わって来たので、相場格言「未だはもうなり」に沿った相場展開になるのではないかと前回(5/14記)申し上げた。
 しかし、商品、株式、債券の先物取引を駆使してパフォーマンは挙げ、その存在を高めているCTA=コモディティトレーディングアドバイザーという短期投機を旨とする新たな投資筋が相場の主導権を握って来たので、乱高下相場が続き一般投資家には近寄り難い相場が続くことになるとも申し上げた。
 この予測通りに、東京相場は上昇相場の様相を強めたが、乱高下の動きは一向に解消していない。
そしてCTAばかりでなく、年金基金の一部も商品相場市場に参入してきたため、原油、金、穀物などの相場が異常だかを呈し、世界のインフレ懸念を増長させ、株式、債券、為替などの金融市場を動揺させ、その方向観をお見通しにくくさせている。
 当面は原油高などを背景としたインフレと景気の低迷を懸念しての乱高下相場が続くであろう。

 さて先般同窓生20余人と東京証券所を見学した。西室東証会長も同期であるとして挨拶に出てくれた。
 同会長はその挨拶の中で、証券に関しては素人であるがと前置きして、国際金融市場には10年同期があるようなので、今秋から来年にかけ証券市場には大いに期待しているといわれた。
 1987年10月19日にブラックマンデーが起こり、NY史上初の世界同時株安が発生した。また1997年の春にタイのバーツの切り下げに端を発し、東南アジアにドミノ的な金融危機が起こり、我が国では大手金融機関の破綻が起きた。
 さらには1998年の夏にロシア危機が起き、世界同時株安となり、世界最大のヘッジファンドLTCMが破綻した。
 そして、2007年の夏にはサブプライム問題に端を発しての世界同時株安と国債金融危機が巻き起きた。
 くしくも西暦‘7年に世界同時株安、金融危機が起きており、まさに10年周期で国際市場は波乱を呈している。

 ブラックマンデー当時は現職の株式部長として、’97〜’98年金融危機は調査センターの社長で体験し、そのさなかにはこれで国際金融市場は終わりをつげるのかなと不安になったことも事実である。
 しかし、’87年の際は国際金融機構の連帯強化と、我が国の大幅な金融緩和から、’88年の春からまず東京市場が回復し、活況を呈し、’89年12月松の日
経平均株価38,915円(史上最高値)に到る大相場を遂げている。
 ’97年春のアジア危機、それに続くロシア危機の際は、PBRを中心とする機敏な金融対応かつ、’99年の初等からNY、東京などの主要株式市場が回復し、あのIT株相場を展開している。
 これらの動きから分かることは、’85年央頃から国際投資資金の顕在化から世界経済が金融経済にシフトし、その有用資金の効率的な運用のために金融工学を駆使してのデリバティブ技術が急速に進展した。
 しかし、そのデリバティブ技術も10年程度が任期なのか、そのひずみが出て調整に入るか、また新たに運用システムが開発され、更なる挑戦がスタートにするのではなかろうか、とすれば住宅価格の低下から破綻をきたしたサブプライムローン問題も主要中央銀行の協調体制の下で新たな勢力を持ち始め、商品を取り組んだシステムの登場から、今秋から来春にかけて、新たな挑戦を始めるのではなかろうか、西室会長もそのようなこと背景に前述の挨拶をなされたのではなかろうか。(以上)