| 3月14日 新・相場展望 |
|---|
| 特定非営利活動法人イカス理事 株式評論家 鈴木 英夫 |
| 『一向に収まらない投機相場』 ドル安、原油高、これに伴う物価上昇、さらには雇用情勢の悪化など米国景気のスタグレーションの顕在化を窺わせる情報が相次ぎ、NY市場は一段と悪化し、NYダウは12,000ドルを割り込み、ナスダック指数は2006年9月以来の安値を呈した。 この事態の根源である信用収縮を払拭させるため、FRBなど欧米の5大中央銀行は2000億ドル余もの緊急融資を発表した。これを好感し、3/11(火)のNY市場は急反発し、NYダウは400ドルを超える大幅高となった。この流れを受け、東京市場も上昇したが日銀総裁問題もあり、日経平均株価は13,000円台を回復して引けることは出来なかった。一方、原油高、ドル安の動きが解消せず、NY市場は早々に反落し、東京市場も追随し、今回の緊急措置も一日天下で終わった感が強い。近時の内外の株式市場は短期取引を旨とする投機筋が主導権を握り、先物を駆使し、相場を乱高下させ、その高ボラティリティを利し好パフォーマンスを挙げていると前回申し上げた。 これを実証するかのように、3/11(火)の放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)では、NY市場でカラ売りを駆使し、この1〜2ヶ月で150億円を600億円にした人物を紹介していた。東京市場でも兜町に数千人いるといわれている証券会社の自己売却部門を駆使し、それ相応のパフォーマンを挙げている者が少なくないといわれている(東証発表の投資主体別の売買動向によると、証券会社の自己部門は1月4,930億円、2月4,224億円もの大幅な売り越しとなっており、先物での売り崩し、これに伴う現物株の裁定残の解消売りを積極的に実施し、相場を乱高下させていることが窺い知れる)。 とすれば、今回の緊急措置も万全でないのでその短所をつき、売り仕掛けし、相場を乱高下させることを容易に改めるわけはあるまい。日経新聞は13日に「米景気に迫る後退リスク」という特集を組み、「信用懸念拡大第2幕」として、緊急措置の限界を報じ、投機筋に絶好の売り口実を結果的に提供している。いずれにしても、投機筋主導の波乱相場は一向に収まらず、一般の個人投資家が近寄り難い状況が続いている。 さて、先般、在席していた証券会社のOB会があり、200人余が集まった。時節柄、今年の相場はどうなる、どんな銘柄が良いかといった話になる筈であるが、今年は私の周辺に集まった50人前後の中から誰一人として相場の話をするものはいなかった。我々世代の証券マンの多くは「カラ売りは悪」といって育てられたこともあるが、短期の投機筋主導で、カラ売りを駆使し、サヤ取りに終始している相場には付いて行けず、愛想をつかし、話したくないとの心境なのであろう。 これは証券マンOBだけでなく、多くの個人投資家の想いであろう。活字媒体の停滞から、それなりの愛読者がいた「日経金融新聞」休刊となり、この16日から週刊誌となるが、これは「坊主憎ければ袈裟まで憎い」の例えのごとく、日経新聞がサブプライムローンに端を発した金融不安、それに伴う実態経済の悪化に関し、これでもかといった態度で、厳しい報道を繰り返していることに対して、読者が反抗し、同紙離れをしている結果であるのではないかとみるのは「下司の勘繰り」なのであろうか。(以上) |