2月13日   新・相場展望
特定非営利活動法人イカス理事
株式評論家  鈴木 英夫
           『相場展望『乱高下相場の一つの背営』

 サブプライムローン問題に端を発し、金融市場が混乱し世界同時株安を演じているが、ここに来て相次いで発表される経済指標から米国を中心に実態経済にも問題が生じて来たことから、株式市場は一向に下げ止まらない。
 この過程でNYダウ、日経平均株価の日中幅(その日の高値と安値の差)が数百ドル、数百円になる乱高下が相次いでいる。これは、先物の売買残高が高水準にあることや、投資主体別売買動向、売買手口からして、金融・景気不安を背景に投機筋が先物主導の売り仕掛けをし、それに伴う現物株の裁定解消売りを招くという対応している事によるとみてよかろう。
 シティーグループ、メリルリンチなどの大手金融機関が大幅な損失を計上している最中に、ゴールドマンサックスが昨年の9〜11月期に増益となった。それはカラ売りでの対応が効を奏した結果と説明していた。この日中幅が極めて高い乱高下相場、要するに高ボランテリィティ相場は、短期の売買を繰り返す投機筋にとっては絶好のパフォーマンスを挙げ得る局面である。
 先般経産省の次官が、講演会で株の売買を短期で繰り返す個人投資を「最も堕落した株主」と批判し物議をかもしたようであるが、その良否はともかくとして、現状の波乱相場の実態をそれなりに把握しているといってよかろう(メディアは何故かこの点を報道しないでいるが)。要するに今の株式市場はNYも東京で短期のサヤ取りに徹している投機筋に主導権を握られ、中長期投資を旨とする個人投資家が近寄り難い市場になっている。
 ここは、「休むも相場」と心得て落ち着きを取り戻すまで、静観する局面であろう。また、メディアはこの急落相場で個人投資家は傷つき、市場から遠ざかり今年に入ってからも売り越しを続け、東京市場での売買高シェアは20%を割り込んでいると報じている。
 しかし、この売り越しは、信用取引で期日、手仕舞い売りが出ているためで、個人の現物買いはなんと5週連続で買い越しとなり、この1月の買い越し額は3,917億円にも達している(昨年の12月は4,415億円の売り越し)。PER、PBR配当利回りなどの投資価値の観点から割安となっている主力株を、半年後、一年後を見据え中長期投資を旨とする余裕のある資産家が株を取得し始めているのであろう。その背景には、「青天井の相場も底抜けの相場もない」という相場鉄則を信じるからであろう。(以上)