8月4日   相場展望
特定非営利活動法人イカス理事
株式評論家  鈴木 英夫
        『信用不安の下 乱高下相場が続く』

 世界経済が実物経済から金融経済にシフトしているので、実態経済と同等に、否、局面によっては金融動向によって、金融市場が大きく揺さぶられると当欄で再三申し上げてきた。そして、サブプライムローンに絡んでの信用不安から主要株式市場が乱高下している事実を認識し、相場は極めて厳しい状況にあるとは申し上げたが、日経平均株価が一気に17,000円を割り込む事態までは予測できなかった。

 それは、先ずサブプライムローンに関しての認識、知識不足をあげねばならないが発表が相次いでいる4~6月期の企業業績が予想以上に好調である(米国の主要企業500社の増益予想は4%であったが、300社が発表になった時点で9%もの増益であったので、上方修正は間違いないといわれている。わが国に於いても、鉄鋼、海運、電機、総合商社などの主要企業が予想以上に好調で、今3月期の業績を上方修正するところが少なくなかった)という実態経済の良さに目が移り、金融・信用不安への認識が充分でなかったためではないかと反省すると共に金融経済下での金融市場が如何に資金の流れの変化に敏感であるかを再認識させられたといってよかろう。

 さて、IMFがサブプライムローンに関して懸念を表明したり、独の中堅銀行がサブプライムローンで指示を出し、これを受けて筆頭株主の政府系銀行が巨額の資金支援をすることが明らかになるなど同問題は気配を一向に緩めておらず、同問題を巡っての乱高下相場は未だ続くと認めざるを得ない。その様な状況の下で、2日の日経平均先物の売買高が18万枚弱と2/28以来の高水準になったり、ミニ日経平均先物の売買高が38万枚弱と上場以来の最高を記録するなど、ヘッジファンド、個人のデイ・トレーダーなどの短期の投機筋が先物主導での短期のサヤ取り売買を活発化させている。

 この結果、2日の日経平均株価の日中値幅は346円にも達し、投機筋には絶好の草刈り場となる一方、中長期投資を旨とする個人には近寄り難い相場となっている。今週も先物主導の乱高下相場が続くとみられるので、「休む相場」と心得て、短期投機筋のヤリトリを静観する局面である。ただその様な相場も夏休みが終わる8月中旬頃までと想定し、それ以降には9月の中間配当取りなども踏まえての真っ当な相場が到来すると認識し、好業績銘柄のツレ安を丹念に拾うことに専念したいものである。         (以上)